対談
「性能追求の住まいから、幸福度を追求する住まいへ」
クロストーク第二回目は、世界シェアNo1.のサウナメーカーであるHARVIAの日本法人ハルビアジャパンの代表・笠間聖司氏を招いて対談を実施。
整居のモデルハウスに、ハルビアのサウナを採用した経緯や本場フィンランドのサウナへの向き合い方、これからの時代の家づくりに必要なコンセプトなど、多岐に渡るテーマでお話を伺いました。
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長澤 猛 TAKESHI NAGASAWA
いえものがたり株式会社 代表取締役社長
地域密着型の工務店として、栃木県内での住宅建築や不動産事業に貢献。
大のサウナ好きで、かねてより心に描いていた心も体も整うサウナが中心にある住まい「整居」のプロジェクトを始動。
今回、第一号となる、モデルハウスをプロデュース。 -
笠間 聖司 SEIJI KASAMA
株式会社HARVIA JAPAN CEO
北欧・北米を中心にビジネスを展開し、年間約100日間以上、世界各国を飛び回っている。
現在は、同社のCEOを務めるかたわら、フィンランドのサウナ文化を日本に広める活動もしている。
ちなみに『サウナシュラン2024』で表彰を受けた11施設の内、8施設で同社のサウナヒーターが採用されている。
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01
INTRODUCTION
地方の住宅会社はライフメーカー
住まいの在り方を変える面白い取り組み。-
長澤
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本場フィンランドの世界最大のサウナメーカーである、ハルビアさん。
昨年(2023年9月)、日本法人であるハルビアジャパンが設立され、その第一期ディーラーに応募させていただいたのが、代表である笠間さんとのお付き合いの始まりでした。
「サウナが真ん中にある住まいづくり(整居)」の検討を始めていた私たちにとって、その歴史や本場フィンランドの考え方を採り入れたサウナは、とても共感でき、魅力的でした。
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笠間氏
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ありがとうございます。
今回のモデルハウスのお話をいただいた時は、とても面白い取り組みだなと思いましたね。
よくあるサウナ付き住宅は、ユニットバスの隣にサウナだけがある…。そんなスタイルが多いのですが「整居」は癒される空間づくりを重視しています。
浴室とは別の空間にサウナがあり、水風呂があり、外気浴があり、さらに自然(庭)もある。
私は、地方にある地元の住宅会社さんはライフメーカーだと思っています。
だからこそ、いえものがたりさんからの今回の「整居」のような提案は、地方から日本の住宅の在り方を変える、おもしろい取り組みだと思っています。
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長澤
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住人の心身の健康、快適さ、そして生活の質を高める「ウェルビーイングな住まい」は、整居の重要なテーマ。
その中で「サウナ」はもっとも重要な要素の一つでした。
サウナの本場、フィンランドは幸福度が高い国です。
冬はほとんど太陽が出ないような緯度の場所にもかかわらず、幸福度が高い。
福祉が充実している点などもあると思いますが、サウナの普及率も大きな要素になっていると思うんです。
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笠間氏
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そうですね。
フィンランドは人口550万人・250世帯に対して、サウナは300万台あると言われています。
一家に一台以上です。
私はフィンランドの名誉領事もしており、100回以上本国を訪れ、現地の方の暮らしについて様々なことを見聞きしてきたのですが、驚いたのが生後3ヶ月からサウナに入っていることです。
それだけ身近で、多様なサウナの入り方があるんです。
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02
PHILOSOPHY
フィンランドの高い幸福度の秘密は
心と体の健康を保つ、サウナにあり?-
長澤
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日本だと、サウナは男のモノ、最近だと若い方も多いですがおじさんのモノというイメージも未だに多いですよね。
それから、高温だから子供は入れない。
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笠間氏
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そんなイメージもありますよね。
日本では家でサウナに入ることは、まずありません。
フィンランドのように家にサウナがあることで、温度調整も自由で赤ちゃんでも入ることができるんです。
もちろん、子どもや女性も日常的に入ります。
そして日本との大きな違いが、家族で団らんしながらサウナに入ること。
子供が大きくなると、家族でお風呂に入ることは無くなりがちですが、サウナはもっと気軽で座りながら、暖まりながら、家族でいろいろな会話ができるんです。
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長澤
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ほんと、幸せを実感するひと時ですね。
さらにサウナだけではなく、自然の景色があっていい風が吹いて…しっかり温冷浴効果も得られる。
この日々を得られる幸福感はたまらないですね。
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笠間氏
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そうですね。
心的な癒しに加えて、科学的な健康効果なども、幸福度には直結していると思います。
先日、長澤社長も出席された「サウナ学会」でも興味深い論文の発表がいくつかありましたね。
昔から言われている、腰痛や肩こりに効果的だということはよく知られていますが、深部体温を温めてから1時間半後に快適な睡眠が得られるということが、発表されていました。
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長澤
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私もサウナの後は、いつもぐっすり眠ることができます。
交感神経、副交感神経がリセットされるのでリラックス効果が得られるんですね。
それから、脳の疲労が解消され集中力や判断力が高まり、アイデアが湧き出ることも感じます。
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03
CHANGE LIFESTYLE
コロナ過を経て、おうち時間を大切にする
意識も高まっている今の時代に必要。-
笠間氏
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私のおススメは、時計やテレビをサウナに置かないことです。
時間を気にせず家族との会話を愉しんだり、考え事にふける。時間を気にしている時点で、脳にはストレスがかかっています。
混み合ったお店のサウナで、立って待っている人なんかがいると「早く出ないと…」と気を遣うことはありませんか?
この時点でストレスを感じているので、やはりサウナでしっかりリラックスするには、自宅にあることが、大変効果的なんですね。
サウナで寝ちゃう…そんなことがあってもいいんです。
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長澤
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昨今はサウナブームで、東京なんかだと、どこのサウナも混み合ってますよね?世代を見ていると本当に20代・30代の働き盛りの若い方が多い。
こうした方も、自宅にリラックスできる本格的なサウナがあると、暮らし方も変わると思うんです。
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笠間氏
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そういう意味では、このモデルハウスのような地方の土地で現実的なコンパクトな成功モデルをつくることは、とても意義深いです。
まずは地方で広めていき、そこで暮らす子供たちのライフスタイルも変えていく。
昨今のテレワークの普及で、地方暮らしの方も増えていますしね。
コロナ禍を経て、おうち時間を大切にする意識も一昔前に比べて高まっている今の時代だからこそ、いいタイミングかもしれません。
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長澤
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確かに、私たちの地元・宇都宮も、最近では都市部への通勤で乗降客が増えています。
地方でこうした意識が広がれば、都市部にもすぐにその魅力が伝わると思います。
「整居」のサウナが真ん中にある住まいは、延床面積30坪ほどの中に、風を感じながら屋外で温冷浴を楽しめる本格的なサウナを備えています。
しかもプライバシーもしっかり守られるプランですので、そのまま都市部でも建築が可能です。
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笠間氏
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お金には代えられない、例えばフィンランドのような幸福度が高まる時間の過ごし方が、ストレスフルな日本には、ますます必要だと思いますし、広がってほしいと願っています。
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04
WELLBEING
ウェルビーイングな住宅が、
次の時代の重要なカテゴリーになる。-
長澤
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今までの住宅の変遷は、まず、住むためのだけの家づくりの発想があって、その後、デザインやスタイルなど、いろいろなカラーが出てきました。
最近では耐震性能・断熱性能など、スペックが優先の話が多いですね。
次の時代は、デザインや住宅性能にこだわれるのは当たり前で、いかに心と体の幸福を追求できるかがテーマになっていくと思います。
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笠間氏
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そうですね。
やっぱり、住まいの時間の中で、どうやってリラクゼーションをするのか。
楽しく過ごすのか。
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長澤
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光や風を感じる庭や開放的な空間、そして一つの提案として、サウナがあっていいと思うんです。
全体を通して、ウェルビーイングな住宅というのが、次の時代の一つの重要なカテゴリーになっていくと感じています。
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笠間氏
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最近では、あらゆるものが高騰していて、サウナのある住まいなんて、お金持ちしか持てないというイメージもあると思います。
そこに一石を投じたのが今回のモデルハウス。
そのくらい画期的なコンセプトだと感じています。
決して高所得者層の方しか実現できない住まいではない点が、いいですね。
限られたスペース、限られた空間を最大限活用した楽しい暮らしを体感することができます。
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長澤
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若い世代も巻き込んだ、サウナブームになっていることもありますけれども、これからの家づくりは「サウナ」が癒しの中心になっていくと思います。
整居のこのモデルハウスで、その思いやコンセプトを形にできたと考えています。
次世代のウェルビーイングな住まいに興味がある方は、ぜひ、見学にお越しください。
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